三菱商事のバックオフィス職が8年ぶり復活|総合商社一般職の年収・仕事内容・将来性を解説

総合商社の一般職について解説 女性のキャリア

就活業界に、ビッグニュースが飛び込んできましたね!

2024年12月、三菱商事が2027年度入社から、新卒一般職の採用を8年ぶりに再開すると発表したのです。

その職種名は「一般職」ではなく「バックオフィス職」。この名称1つにも、事務職に対する企業側の認識の大きな変化が表れています。

きっと転職だけでなく新卒で商社を検討される女性も増えると思い、この記事を書いています!

近い将来AIに取って代わられると言われてきた一般職ーー。実はその他大手企業でも、静かに継続・復活しているのです。

では、なぜ今なのか。
総合商社の一般職に求められることは何なのか。

この記事では、某総合商社の一般職で働く1人として、その実状と変化をお伝えしたいと思います。

公式情報だけでは見えない、業界の本当のところを知ることで、あなたの就職活動がより現実的になるはずです。新卒の方も転職で商社を目指したいという方も必見の内容です!

三菱商事の一般職が8年ぶりに再開

三菱商事 採用情報
三菱商事採用HP

これまでの三菱商事の一般職採用の変遷(1994年〜今)

三菱商事の一般職(事務職)の歩みを振り返ると、実は複雑な変化をしています。

  • 1994年 一般職新卒採用廃止
  • 2011年 新卒採用再開→40名程度採用
  • 2020年 廃止
  • 2023年 中途で一般職再開→20名程度採用
  • 2027年 新卒採用再開 ←New!

1994年春の入社を最後に中止していた一般職の採用を2011年春から17年ぶりに「ビジネスサポートスタッフ」という名称で再開しましたが、2020年には再度取り止めています。

しかし、2023年度に中途採用が再開され、2024年度には17名を採用。

引用元

そして今回の新卒採用再開へと至ります。(2026年度は中途採用継続するんでしょうか?それも注目ですね。)

この背景には、企業側の認識の大きな転換があったのだと想像できます。次以降の章で解説していきます。

他の総合商社の動きは?

ここで比較しておきたいのが、その他の五大商社における一般職採用の現状です。

伊藤忠商事継続
2025年〜 職種名を「事務職」から「ビジネスエキスパート職」に変更
丸紅2024年廃止
三井物産2024年廃止
住友商事2020年廃止

伊藤忠商事は、一般職採用を継続。2025年4月からは職種名を「事務職」から「ビジネスエキスパート職」に変更し、単なる事務担当ではなく「組織運営の要」として再定義しました。

事務職なのに海外実習もいけるなんて、、、、

つまり、商社業界は「一般職の扱い方」について、大きく分岐しているのです。各社それぞれの対応をとっていることが分かります。

なぜ三菱商事は一般職を再定義したのか、なぜ採用を再開したのか

事業投資型商社で求められる「支える人材」の変化

総合商社の事業モデルは、ここ数十年で大きく変わりました。

かつては「商品の仕入れと売却」というトレーディングがメインでしたが、今では単なる「商品の売買」ではなく「事業投資」が稼ぎの要になりつつあるのです。こういったビジネスが増えてきた時に、一般職の業務も大きく変化していっています。

具体的には、計数管理にとどまらず、

  • 新規事業創出に向けたリサーチ
  • 複数企業間の利害調整
  • 投資家向けレポート作成
  • 経営データの分析
  • 後輩の人材育成、派遣社員の指導・管理

などなどが実際に私が日々行なっている業務たちです。

こうした業務は、単なる事務処理ではなく、自らが思考したアウトプットが求められます。つまり、商社の一般職(事務職)は、企業の経営判断を支える、専門性の高い業務へと進化しているのです。

2011年、事務職の新卒採用を再開した三菱商事は当時、再開の理由として、

業務の高度化などを背景にマニュアル化できない事例が増え、正社員が長期にわたりノウハウを蓄積・継承することが不可欠と判断した。
日本経済新聞「三菱商事、一般職の採用を11年春から再開 17年ぶり」2010年3月9日

としています。また、今回の2027年度の再開については、彼らの採用公式HPにて、

一人ひとりのキャリア選択やその背景にある想いが多様化していく中で、2027年度入社の新卒採用では、総合職だけでなくバックオフィス職の採用選考を実施します。
変化の激しい市場環境の中、当社のバックオフィス業務もより高度化していくことが想定され、状況の変化に合わせて事業や組織に何が必要かを自ら思考し行動することで、事業価値向上を支えることが期待される職種です。

と表明しています。

このように比べると、キーワードとして「業務の高度化」や「変化に合わせて行動・継承」していくための人材が共通して求められていることが分かります。

つまり、求められるのはただの「事務ができる人材」ではなく「会社を継続的に支えていくスペシャリスト」としてのポジションということです。

「AIや派遣社員では賄うことができない”優秀なバックオフィス人材”が必要である」と日本を代表する総合商社・三菱商事が判断したということが今回のニュースが話題になった理由でしょう。

AIでは代替できない一般職の仕事とは何か

これまで、「一般職・事務職」というのはAIに代替される職業の1つとして挙げられることが多かったでしょう。

AIやRPAが得意なのは「定型的で繰り返し性の高い」業務です。

そして、データの入力など地味な定型業務を行うことが多かったのもこれまでの一般職です。

中で働いている人間として正直に言えば、たしかにまだまだデータの入力作業や数字の照会など、細かくて楽しくない(←笑)作業は多いです。システムも古いですし、なんなら早くAI・RPAに替わってくれ、、、とまで思っています。

つまり、それ以外に時間を割くべき仕事が多いんですよね。

例えば、新規事業のリサーチ業務では、既存の枠組みに当てはまらない質問が出てきますし、一般職が取り仕切って利害調整を行わなくてはいけない場面は多々あります。(お茶汲みなんてしてられません!!笑)

つまり、AIに置き換わるのは「定型業務」であり、人間にしかできないのは「判断と調整を伴う業務」という棲み分けが、企業側の判断にあるということです。

自ら業務の効率化のためにRPAやプログラミングに取り組む一般職の方もいらっしゃいます。

AIには替わらない、専門性を磨ける仕事も多く存在するのが今の大手企業や大手商社の一般職と言えるでしょう。

2011年ごろに一般職の新卒採用を再開した三菱商事ですが、その頃に入社した方達は今30代前半〜後半でちょうど育休産休で人手不足、それ以上の年次の方達は定年退職が迫る・・・。

この高度化している業務の次なる担い手を採用したい、そうした想いが三菱商事の今回の判断から感じられますよね。(あくまで筆者の予想ですが。。)

三菱商事・総合商社 一般職の年収・初任給・ボーナスのリアル

さて、皆さんが本当に知りたいのはこのパートかもしれませんね・・!

案外ネットに総合商社の一般職の年収が落ちていないのが実情です。私の勤め先や年収を具体的に公開することはできませんが、ネット情報と実際とのブレや差を指摘しようと思います!

総合商社一般職 気になる年収は?

三菱商事のバックオフィス職では、2027年度の新卒採用における初任給は、25万円と公式HPに出ています。

2019年度は21万円だったので、約4万円(約19%)のアップです。物価上昇の考慮でしょう。

ただし、この初任給や月収だけが全てではありません。皆さんもご存知のように総合商社は「ボーナス偏重」という特徴があり、月給の高さよりも、賞与がどれだけ支給されるかが重要なのです。

この賞与を決めるのが会社の業績なので、会社が大きなトラブルなどに見舞われたり、経営判断のミスが発生した時に業績が大きく下がるとボーナスがゼロ・・なんてこともあり得るのが総合商社の年収の特徴です。(総合職にも同じことが言えます。)

さて、実際にOpenworkで比較的新しい三菱商事や伊藤忠商事の口コミを見てみましたが、正直事務職についてはまともな年収回答が見当たりませんでしたね、、契約社員さんも混ざっているのだと思います。

丸紅の口コミを見てみると、5年〜10年の在籍年収800万というのを発見しました。回答日は2023年。

これは総合商社の中の人間として、比較的信ぴょう性があると思いますねー!丸紅近年業績もいいですしね。20代でこれくらいもらってても全く不思議じゃないと思います。

また、管理職相当のレベルに達すれば、一般職でも1,000万円の年収が期待できます。総合職に比べるとかなり低いのですが、同業他社の事務職や、金融機関の事務職と比べると、遥かに高い水準になっています。(まあ、本当に業績によりけりなのですが。)

総合職と比べてしまうことは絶対にダメ!

総合職の初任給は、学士卒で34万円(修士卒で37万5000円)ですから、バックオフィス職との差は約9万円。これが年単位で見ると大きな差になります。

さらに昇進のスピードも異なります。総合職は年功序列で段階的に昇進していき、30代半ばから40代にかけて1,500万~2,000万円の年収に達することが多いのに対し、バックオフィス職の場合は、昇進のレールが限定的であり、年収の天井も低く設定されています

つまり「若い時期から一定の安定性と給与水準を求める人」には向いた選択ですが「生涯年収を最大化したい」という人には、総合職の方が有利だということになります。当たり前ですが!

新卒で入った若い子たちがあっという間に自分の年収を追い越していきます。それに耐えれるかどうかです。

大手商社の一般職を横並びで比較するとどうなる?【新卒】

商社職種名新卒採用採用人数給与勤務地
三菱商事バックオフィス職2027年度
再開予定
未定25万円東京本社・
首都圏
伊藤忠商事ビジネスエキスパート職継続中約20名26.5万円本社・各地域
双日事務職継続中約20名23.09万円本社・各地域
兼松アドミスタッフ継続中10-15名24.2万円東京
伊藤忠丸紅鉄鋼地域限定職継続中約20名22.5万円本社・大阪

やはり5大商社の三菱と伊藤忠は給与が若干高いでしょうか、、、でも上記商社はどこも超大手ですので福利厚生も含めれば大きな違いはなさそうです。

伊藤忠丸紅鉄鋼は大阪支社での採用も可能性がありそうです。関西に住みながら大手商社で働きたい人にはぴったりかもしれません!

一般職と総合職、どちらが”正解”なのか?【実体験から考えること】

総合職と一般職の違い

新卒で商社を目指す方の中には、総合職か一般職かの選択で迷ってる方もいると思います。

これ本当に、尽きることのない質問です、、。私のサイトを訪問してくれる方の多くが総合職と一般職で迷われている方たちなんですよね。特に一般職の花形とも言われる商社に魅力を感じる方も多いのではないでしょうか。

よく「美人でないとダメ」とか「男は評価されにくい」といった、表面的な話があったりしますが、実際はそうではないと中で働いていて強く思います。みんな中身が信じられないくらいしっかりしてますから(笑)

そういったステレオタイプは横に置いて、自分の向き・不向きで考えてみて欲しいと思います!

ここでは私が思う「一般職向けの方」の特徴を3つあげます。

\\総合職と事務職、どちらでも働いた私の答え//

一般職向き①|仕事の裁量と安定、どちらも欲しい人

仕事の中で「ある程度の裁量を持ちたいけれど、転勤のストレスは避けたい」という人は、一般職向きです。

実際のバックオフィス職の業務は「完全に指示されたことをやるだけ」ではなく、プロジェクトの企画から実行まで、かなり主体的に関わります。ただ、その舞台は「本社や首都圏」に限定されるということです。

子どもの教育環境を固定したい、親の介護がある、パートナーの仕事の都合上、転勤は難しい——そういった「人生のステージに合わせた働き方」を重視する人に向いています。

海外を舞台に働きたい人は総合職一択だと思いますよ。

一般職向き②|ライフイベントとキャリアを両立したい人

特に女性にとっては「育児と仕事の両立」が現実的な課題です。一般職は、住居の変更を伴う転勤がないため、保育園の確保や、家族のサポート体制を整えやすいという利点があります。

もちろん、福利厚生が充実していれば総合職でも育児と仕事を両立可能ですが、転勤のリスクを抱えながら両立は、精神的負担が大きいですし、仕事の責任も非常に大きいので仕事に穴をあけることが難しいことが多いです。

一般職向き③|「賢く働く」ことを選びたい人

総合職には「長時間労働」がセットで付いてくることがあります。新規事業の開拓や、市場開拓など終わりの見えない業務・数年後の種まき業務が多いことが理由の1つだと思います。

一方で、一般職は「短い時間で、いかに効率的に成果を出すか」という時間の区切りがある仕事の進め方になりやすいのです。

人生全体を見たとき「若い時期に集中的に稼ぐ必要はない。その代わり、プライベートの時間を大切にしたい」という選択肢もありますよね。そうした考えを持っている人なら、一般職という選択肢は、実は「賢明な選択」とも言えるでしょう。

三菱商事 バックオフィス職の選考は難しい?

27年に久しぶりに再開される三菱商事の一般職採用ですので相当な倍率が予想されますね・・!

そういった意味では難易度は高いと言えると思いますが、対策はさまざまにできると思います。これを読んで参考にしてみてください!

想定される選考フロー

バックオフィス職の選考は、一般的に以下のような流れです。

エントリーシート(ES)提出適性検査一次面接最終面接内定

重要なのは面接でしょう。面接官が見定めるところが総合職とは異なってくることがポイントです。

ESで見られるポイント

ES段階で見られるのは「論理的思考力」と「組織への適性」です。

バックオフィス職の業務は、複雑な情報を整理し、わかりやすく上司や関係者に伝えるという場面が非常に多いです。

したがって「自分の考えを簡潔に、かつ説得力を持って表現できるか」というポイントが重視されます。特筆して難しいES設問はないと思うので、他企業と同じような対策・書き方でいいかと思います。

それから、大手であればあるほど学歴フィルターはかかると思います、、。(残念ながら)

総合商社の一般職であれば有名女子大・MARCHくらいの学歴は欲しいところでしょうか。

\ESの書き方はこちらを参考にしてください!/

「なぜ一般職なのか」はどう答えるべきか

面接では「なぜバックオフィス職/一般職なのか」という動機が、最も厳しく見られます。

実は、これが落ちる人の大きな理由なのです。「総合職は難しそうだから」「転勤したくないから」といった「消極的な理由」が見えると、採用側は「この人は、バックオフィス職の仕事に理解があるのか?」という疑問を持ちます。

\NGな答え方/

  • 「転勤がイヤだから」
  • 「総合職より受かりやすいと思ったから」
  • 「ワークライフバランスを重視したいから」(単体では弱い)

\OKな答え方/

  • 「バックオフィス業務こそが、企業の経営判断を支える最重要機能だと理解しており、その専門性を深めたいと考えています」
  • 「転勤がないという条件の中で、いかに高い付加価値を生み出すかという課題に、深くコミットしたいと思っています」
  • 「ライフステージの変化に柔軟に対応しながら、長期的に企業に貢献したいと考えています」

逆に、前向きな理由が伝わると評価が大きく変わります。

「一般職だから達成できる価値」を自分の言葉で語れるようにしましょう。

\転職で商社狙うならこちらも必読!/

新卒で商社一般職を本気で狙うなら、情報戦を制すべき理由

公式情報だけでは足りない | 「なぜ三菱商事なのか」の答えを探す

採用サイトや説明会の情報は「企業が見せたい情報」です。それ自体は正確ですが、実務の現場とのギャップがあることはよくあります。

例えば「業務の高度化」と公式には書いてありますが、配属先によって、その度合いは大きく異なります。また「転勤なし」と言っても「海外出張が多い配属先」と「国内のみの配属先」では、実際の働き方がかなり異なるのです。

また、業務への解像度を上げる意味でも必ずOB訪問を実施しましょう!

このOB訪問を通じて「なぜあなたは三菱商事で働きたいのか」というアンサーを探して欲しいと思います。

なぜ他の商社や大手企業ではなく三菱商事なのか。これは何度も自分に聞いて、納得のいく答えを見つけることが合格に近づくと思ってください。

noteやXでは「OB訪問のやり方」について色々と紹介している方がいるので、参考にしてみてください。

値段をつけて売っている方もいるようなので信頼できる人や口コミがいいものを選ぶようにしてくださいね。
(会社員と話すだけなのでそんなに難しいことはないと思うんですがね、、、需要がありそうならOB訪問の記事書きますね!)

\転職で商社狙うならOB訪問だけではなく転職サービスも活用しましょう!/

サービス名特徴ターゲット層向いている人
ビズリーチハイクラス向け
上質な求人
20代〜40代
(現年収400万円以上)
年収下げずに
頑張りたい人
リクナビNEXT業界最大級
圧倒的求人数
20代〜40代幅広い求人で
色んな制度を
比較検討したい人
JACリクルートメント
求人情報の質が高い
エージェントの求人に対する理解度が高い
20代〜40代
(現年収400万円以上)
キャリア志向の人や手厚いサポートを受けたい人
リクルートダイレクトスカウト超ハイクラス向け
の上質な求人が多数
書類添削などのサポートはない
30代〜50代これまでの経験が豊富な人や高学歴の人
AMBI若手ハイクラス向け
(ビズリーチよりはハードル低め)
20代・30代キャリア志向で
年収UPを狙いたい人

\私が実際に使った転職サイトはこちら【正直レビューしてます】/

総合職志望者以上の難易度だと思って挑む

バックオフィス職は「総合職より簡単」ではありません。むしろ「転勤なし・首都圏のみ」という条件のため、応募の母数が少なく、競争が激しい側面もあります。

伊藤忠などの大手では総合職よりも一般職の方が倍率が高いというのは当たり前です!

採用側も「本当にこの企業で働きたい人」を見極めるために、かなり細かく面接で掘り下げる傾向にあります。

つまり「総合職は難しそうだから、バックオフィス職にしよう」という「逃げの選択肢」では、通過しないということです。しっかり対策して挑んでくださいね!!

まとめ

総合商社の一般職(バックオフィス職)は「消えゆく職種」ではなく、むしろ「生まれ変わった職種」です。

AIやRPAが定型業務を引き継ぐ時代だからこそ、人間にしかできない「判断と創意工夫を伴う業務」の重要性が高まっています。三菱商事の「8年ぶりの再開」は、その流れを象徴する動きなのです。

こう整理してみると、丸紅・住友商事・三井物産もいつかまた一般職採用を再開するのではないでしょうか・・・。総合職と統一するにしろ、しないにしろ、この役割は今後も求められ続けると考えます。(皆さんの意見も聞いてみたいところです。)

また、新卒で商社を目指す方の中には、総合職か一般職かの選択で迷ってる方もいると思います。

その選択は「どちらが簡単か」ではなく「自分のキャリアと人生において、どちらが価値を生み出せるか」という問いの答えの中にあります。どちらも楽ではない、ということは確かです!

タイトルとURLをコピーしました